ノロウイルスの特徴と様々な検査

 

ノロウイルスとは??

ノロウイルスは冬場の12月~翌年1月が発生のピークになる食中毒および感染性胃腸炎の主な原因となるウイルスです。

主にはヒトの手を介した感染となり、調理施設、医療現場、老人介護施設および保育園では感染に特に注意する必要があります。

 

ノロウイルスの種類??

ヒトに感染する主要なノロウイルスは、現在2つの遺伝子群(GIとGII)、さらにGIは9種類(GI.1~GI.9)、GIIは22種類(GII.1~GII.22)の遺伝子型に分類されています。
この中で、急性胃腸炎あるいは食中毒患者から、検出頻度が高いのは、GI.2、GI.3、GI.4、GI.6、GII.2、GII.3、GII.4、GII.6、GII.14、GII.17などです。

 

ノロウイルスの検査は保険が効く??

ノロウイルス検査にはいくつか種類がありますが大きく保険適用の検査と保険適用のない検査に区別されます。

 

保険適用と自費診療

保険適用とは健康保険を用いて3割の費用負担で検査出来る事です。

誰もが高額な医療費を支払うのは嫌なので保険適用を望まれると思います。

 

保険適用の検査とは??

保険適用の検査にはノロウイルスの迅速診断キットがありこれは医療機関内でイムノクロマト法を用いた簡易キットで測定する検査になります。

医療機関内で検査出来るのですぐに結果を知る事が出来ます。

簡易といってるぐらいなので検査の正確度は他のノロウイルス検査に比べ落ちます。

という事は検査で陰性となっても真の陰性かどうかはわからないという事になります。

医療機関や食品を扱う業界などで働いている方か「検査で陰性」という事で安心して仕事に従事する事により感染を広めてしまう可能性があります。

 

また、保険適用になるといっても条件があります。

ア 3歳未満の患者
イ 65歳以上の患者
ウ 悪性腫瘍の診断が確定している患者
エ 臓器移植後の患者
オ 抗悪性腫瘍剤免疫抑制剤、又は免疫抑制効果のある薬剤を投与中の患者

 

上記に当てはまっている方のみが保険適用が認められています。

 

保険適用以外の検査は??

保険適用になっていない検査にはノロウイルス抗原ELISA法、ノロウイルス抗原BLEIA法、ノロウイルスRNA RT- PCR法、などがあり全ての検査で保険適用の検査を上回る感度や特異度を持っています。

※当日中には検査結果は出ません。

 

では何故良い検査が保険適用となっていないのでしょうか? 

それは「ノロウイルスには特効薬がない」からです。

ノロウイルスという事が分かっても対症療法と水分摂取困難時の点滴くらいしか治療はありません。

だから検査そのものがあまり意味を持たないのです。

 

ただ、調理従事者の方は厚生労働省が検査を勧めていますし医療従事者の方も疑わしい時は検査をして感染を広めない心掛けが必要であると思います。